私は豊中市に住んでいるのですが、以前、隣の幼馴染が九州の息子同居することになったので、自宅を買わないかと持ち掛けられました。私には今の住まいを建て直して娘夫婦と住むための2世帯住宅する希望があり、そのことを知っていた彼が、もう戻るつもりもないからと先ほどの話になったのです。
そこで、彼から不動産を購入することにして代金等も支払い、彼が九州へ行った後に、計画通り2世帯住宅を建てて妻と娘夫婦と住んでいます。
その後、彼とは年に数度連絡を取るくらいだったのですが、今年になり亡くなったとの知らせが彼の息子から届きました。
この時に、購入した不動産の登記をしていなかったことを思い出し、現状をしらべてみると、彼の息子さん名義で相続登記がされていました。
この場合でも彼の息子さんに登記を移すように請求することはできるのでしょうか。

司法書士

売買の対象となった豊中市の不動産の登記名義が相続登記によって、前の所有者の息子さんの名義へ変更されているだけであれば、その方が相談者様への登記の移転義務も相続することになりますので、登記の移転を請求することができます。

代襲相続とは → 質問1-4

生命保険金と特別受益 → 質問3-5

相続登記の時間制限 → 質問5-1

抵当権の設定と相続登記 → 質問5-3

お話をさらに伺うと、売主である幼馴染さんの息子さんは大学卒業後ずっと九州にいるので、父親が生前に豊中市の不動産を相談者様に売却していることを知らずに、その不動産も自分が相続したものとして相続登記をしたようです。

この場合、まず被相続人(ご相談においては相談者様の幼馴染さん)は不動産の売主ですので、当然、買主に対して所有権移転登記を行う義務があります。
相続人は被相続人の権利も義務も全てを相続するので、この被相続人が買主に対して負っている所有権移転登記を行う義務も相続することになります。
そこで、不動産の買主としては、たとえ購入した不動産の登記名義人が相続登記により相続人へ変更されていたとしても、相続人に対して、登記を自分に移すように請求することができます。

契約書や領収書等がっていて、幼馴染さんの息子さんが売買があったことを認めてくれるのであれば、その息子さんに登記に応じてもらえるように話してみることをお勧めします。

仮に売買があったことを認めてもらえないのであれば訴訟を起こすことになりますので、弁護士さんへ相談されることをお勧めします。

今回のご相談では購入した不動産の登記名義がまだ売主の息子さん名義であったので、それほど複雑にはならないと思われますが、息子さんが誰か別の方に売却してその方名義に登記が移転していると、登記を取り戻すことは困難になることが予想されます。

今回のご相談者様のお話では、幼馴染という親しい仲であったので、登記までは気にしていなかったということですが、登記費用は掛かってもお早めに登記名義を移転しておくことが肝要です。