私も、そろそろ終活をしようと思いまして、遺言の内容を考えております。
私の相続財産としては箕面市にある不動産と預貯金、株式などがあります。
相続人は妻と子供2人になります。
箕面市の不動産は現在、妻と住んでいるものですので、そのまま妻が住み続けられるように妻が相続できるようにしたいのですが、遺留分というものがあると聞きました。
遺留分とはどのようなものでしょうか?

司法書士

遺留分とは兄弟姉妹以外の相続人に最低限保証されている相続財産のうちの一定の割合のことをいいます。
「相続人に最低限保証されている相続財産のうちの一定の割合」ですので、遺留分を侵害された相続人は遺留分を侵害する相続を受けた相続人に対して、侵害分の価格を請求することができます。
遺留分を侵害する遺言が全て無効になるというわけではありません。
ただし、ご自身が亡くなられた後に残されたご家族で揉めることの無いように遺言を残そうと考えるのであれば、遺言の内容も遺留分に配慮したものにしておくことをお勧めします。
民法および最高裁判所の判例によると、遺留分侵害額は次のように計算するとされています。

1.遺留分算定の基礎となる相続財産の額

最初に遺留分算定の基礎となる相続財産の額を求めます。
これは被相続人(故人)のプラスの相続財産に、相続開始前1年以内になされた贈与を加算します。また、1年以上前になされた贈与であっても贈与当事者の双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってなされた贈与についても加算されます。
ここから、被相続人のマイナスの相続財産(借金等の債務等)を引きます。
これが、遺留分算定の基礎となる相続財産の額となります。

相続財産の調べ方 → 質問2-1

配偶者居住権とは → 質問2-2

遺留分と持ち戻し免除の関係 → 質問3-11

2.相続人の遺留分額

この遺留分算定の基礎となる相続財産の額に遺留分侵害を主張しようとしている相続人の遺留分率を掛けます。
遺留分率は、被相続人の配偶者と子(及びその代襲者)については2分の1、被相続人の親等の直系尊属については3分の1です。
遺留分率を掛けた後の額から、生前に受けた特別受益を引きます。
この額が、遺留分額となります。

3.純粋な相続財産

また相続により実際に得たプラスの財産から相続債務の負担額を引きます。
この額が純粋な相続財産です。

4.遺留分侵害額

最後に上記2.の遺留分額から3.の純粋な相続財産を引きます。
この額がプラスになっていれば遺留分侵害があり、遺留分侵害額となります。 反対にマイナスであれば、遺留分侵害はないということです

被相続人が相続開始の時に債務を有していた場合の遺留分の額は、民法一〇二九条、一〇三〇条、一〇四四条に従って、被相続人が相続開始の時に有していた財産全体の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して遺留分算定の基礎となる財産額を確定し、それに同法一〇二八条所定の遺留分の割合を乗じ、複数の遺留分権利者がいる場合は更に遺留分権利者それぞれの法定相続分の割合を乗じ、遺留分権利者がいわゆる特別受益財産を得ているときはその価額を控除して算定すべきものであり、遺留分の侵害額は、このようにして算定した遺留分の額から、遺留分権利者が相続によって得た財産がある場合はその額を控除し、同人が負担すべき相続債務がある場合はその額を加算して算定するものである。

参考:最判平成8年11月26日民集50巻10号2747頁

配偶者(夫または妻)に現在、住んでいる不動産を相続させたいけれど、預貯金等との兼ね合いで、配偶者に不動産を相続させると子供の遺留分を侵害することになってしまうという場合は、不動産自体を相続させるのではなく配偶者居住権を設定するということもできます。