豊中市 G.F.さん

先日私の夫が亡くなりました。
夫の相続財産は豊中市内の土地や建物のほかに株式や投資信託などがあります。
私には2人の息子がいるのですが、1人は独立して既に家を出て結婚もしております。
その結婚の際には夫からいくらかのお金を渡しています。
今回のご相談は、次男が言いますのは株式や投資信託は遺産分割の対象になるのだから、その分割に際して兄の結婚資金も考慮されるべきだと言うのですが、長男は法定相続分で当然承継されるのだから遺産分割の対象にはならないと言います。
相続に際して株式や投資信託も遺産分割の対象になるのでしょうか。

司法書士

結論から言いますと、株式や投資信託は遺産分割の対象となります。
なので、次男さんが言う通り、株式や投資信託を含めて遺産分割を行うことになりますので、長男さんへの特別受益が考慮されることになります。

株式や投資信託の共同相続

株式や投資信託を共同相続した場合に、これらの財産が相続開始時に法定相続分に従って各相続人に特に手続きをようせずに承継されるのか、それとも遺産分割協議の対象となるのかについて最高裁判所は次のように判断しています。

(1) 株式は,株主たる資格において会社に対して有する法律上の地位を意味し,株主は,株主たる地位に基づいて,剰余金の配当を受ける権利(会社法105条1項1号),残余財産の分配を受ける権利(同項2号)などのいわゆる自益権と,株主総会における議決権(同項3号)などのいわゆる共益権とを有するのであって(最高裁昭和42年(オ)第1466号同45年7月15日大法廷判決・民集24巻7号804頁参照),このような株式に含まれる権利の内容及び性質に照らせば,共同相続された株式は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである(最高裁昭和42年(オ)第867号同45年1月22日第一小法廷判決・民集24巻1号1頁等参照)。
(2) 本件投信受益権のうち,本件有価証券目録記載3及び4の投資信託受益権は,委託者指図型投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律2条1項)に係る信託契約に基づく受益権であるところ,この投資信託受益権は,口数を単位とするものであって,その内容として,法令上,償還金請求権及び収益分配請求権(同法6条3項)という金銭支払請求権のほか,信託財産に関する帳簿書類の閲覧又は謄写の請求権(同法15条2項)等の委託者に対する監督的機能を有する権利が規定されており,可分給付を目的とする権利でないものが含まれている。
このような上記投資信託受益権に含まれる権利の内容及び性質に照らせば,共同相続された上記投資信託受益権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである。
また,本件投信受益権のうち,本件有価証券目録記載5の投資信託受益権は,外国投資信託に係る信託契約に基づく受益権であるところ,外国投資信託は,外国において外国の法令に基づいて設定された信託で,投資信託に類するものであり(投資信託及び投資法人に関する法律2条22項),上記投資信託受益権の内容は,必
ずしも明らかではない。
しかし,外国投資信託が同法に基づき設定される投資信託に類するものであることからすれば,上記投資信託受益権についても,委託者指図型投資信託に係る信託契約に基づく受益権と同様,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものとする余地が十分にあるというべきである。
(3) 本件国債は,個人向け国債の発行等に関する省令2条に規定する個人向け国債であるところ,個人向け国債の額面金額の最低額は1万円とされ,その権利の帰属を定めることとなる社債,株式等の振替に関する法律の規定による振替口座簿の記載又は記録は,上記最低額の整数倍の金額によるものとされており(同令条),取扱機関の買取りにより行われる個人向け国債の中途換金(同令6条)も,上記金額を基準として行われるものと解される。そうすると,個人向け国債は,法令上,一定額をもって権利の単位が定められ,1単位未満での権利行使が予定されていないものというべきであり,このような個人向け国債の内容及び性質に照らせば,共同相続された個人向け国債は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである。
(4) 以上のとおり,本件国債等は,亡Aの相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることがないものか,又はそう解する余地があるものである。そして,本件国債等が亡Aの相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるものでなければ,その最終的な帰属は,遺産の分割によって決せられるべきことになるから,本件国債等は,本件遺産分割審判によって上告人ら及び被上告人の各持分4分の1の割合による準共有となったことになり,上告人らの主位的請求に係る訴えは適法なものとなる。

最判平成26年2月25日 民集 第68巻2号173頁

最高裁判所は預貯金債権についても相続開始時に各相続人に法定相続分に従って当然承継されることはなく、共同相続人間のいわゆる遺産共有になると考えています。
上記の判決もこれらの預貯金債権と同様に遺産共有となる結果、遺産分割協議において柔軟にその分配を定めることができます。

預貯金の共同相続 → つづきはこちら

一般債権の共同相続 → つづきはこちら

現金の共同相続 → つづきはこちら

この記事は上記判決をモデルにした架空の事例です。
また、記事掲載時の法令・判例に基づいています。
ご覧の時点で裁判所の判断に合致しないこともありますのでご留意ください。

池田市・豊中市・箕面市などの北摂地域や大阪市での相続登記はルピナス司法書士事務所にご相談を

相続した不動産の名義変更にまつわる煩雑な手続きを貴方専任の司法書士がサポートします。
お電話、Eメール、ラインからでも、ご相談いただけます。

友だち追加
ラインでのお問い合わせ